行動する大統領🇷🇺🇺🇸と口先だけの国連🇺🇳

2026年9月22日、🇺🇳国連総会の演壇に立った🇺🇸トランプ大統領は、38分の演説で国連という組織そのものを批判し、国連予算の削減、⚖️国際刑事裁判所(ICC)への攻撃、自らが主導する🇵🇸ガザ和平の進捗を次々に語った。

これに対し、報道機関とビッグテックの連携枠組み👁️であるトラステッド・ニュース・イニシアチブ(TNI)を主導する🇬🇧BBCをはじめ、欧米と日本の主要メディアは、いつも通りトランプ批判で足並みをそろえた。

第二次世界大戦後の国際秩序は、🇺🇳国連の演壇で理念を語り、🇬🇧ロンドンで地域の枠組みを設計し、🇬🇧TNIを軸とする英語圏の報道機関と検索エンジンやSNSがその見方を世界に配るという分業で動いてきた。

2026年9月の二週間には、実際の決定がこの🇺🇳🇬🇧分業の外で下される場面が、国連総会の内と外で続けて起きている。

本稿では、国連総会の演壇で語られたことと、同じ時期に総会の外で実際に動いていたことを並べ、メディアの見出しには映らなかった変化を追っていく。

目次

演壇から突きつけられた「語るだけの国連🇺🇳」

第81回国連総会の一般討論演説で、トランプ🇺🇸は儀礼的な挨拶に時間を使わず、国連🇺🇳という組織の具体的な問題を一つずつ挙げていった。

🇺🇳国連予算は2026年に15%削減され、国連の官僚機構の4000を超えるポストが廃止されたが、この削減を主導したのは米国連大使のウォルツ🇺🇸である。

また、国際海事機関(IMO)は海運コストを10〜20%押し上げる世界規模の炭素税の導入を計画していたが、この計画も🇺🇸米国の反対で止まった。

トランプはこれに続けて、

「世界政府は存在しない。そして私が🇺🇸大統領である限り、世界税も存在しない」、

と述べている。

批判は個別の機関にも及んだ。トランプはICC⚖️を「ならず者機関」と呼んで加盟国に脱退を呼びかけ、国連人権理事会についてはキリスト教徒への迫害に触れないまま米国の国境管理ばかりを問題にしていると指摘し、ユネスコについては文化遺産を守るはずの機関が大規模な移民の推進によってかえって文化を壊していると述べた。

そのうえで、トランプ🇺🇸は自らの実績をこう対比した。

「国内で引き継いだ問題に迅速に対処したのと同じように、我々は断固とした姿勢と速さで世界の舞台を作り変え、あまりにも長く我々を悩ませてきた問題を解決してきた。」

「他者が語っている間に、私は行動した。他者が平和を語っている間に、私は平和をつくった。他者が脅威を無視している間に、私はそれに立ち向かった。」

この「行動した」を裏づけるのが、🇷🇺ロシアと🇺🇦ウクライナの戦争を終わらせるための政権の動きである。トランプが送った特使はモスクワとウクライナを往復し、冬が来る前に両国の直接交渉の場を設けることを目指しており、トランプは9月14日、両国が互いのエネルギー施設への攻撃🔥を停止することで合意したと発表した。

国連総会の会期中にも、トランプは🇺🇦ゼレンスキーと会談し、冬を前にした和平合意に向けて交渉を続けている。

一方、この和平の動きに抗っているのが🇬🇧英国と🇪🇺EUである。🇬🇧王立国際問題研究所(チャタムハウス)は2026年2月、「いかなる代償を払っても和平を」という米国の圧力にウクライナが抵抗するのを欧州が支えていると分析し、5月には、ロシアとウクライナの停戦が安全保障を脅かす恐れがあると警告する報告書を出した。

🇬🇧英国政府と🇪🇺EUも、この和平🕊️の動きに強く反発している。停戦を急ぐワシントンと、停戦を危険だと論じるロンドンの対立は、国連の演壇の外ですでに始まっている。

国連との関係でさらに重いのが、ガザ和平を実際に進める組織として動き出した「平和評議会🕊️」である。 国連安全保障理事会が承認したこの枠組みには約30カ国が参加し、議長はトランプ自身が務めている。

国連安全保障理事会の承認を得たことで、参加国は米国との個別の約束ではなく、国連決議に基づいて部隊や資金を出すことができる。国連は承認を与える役割にとどまり、🇵🇸ガザの道路・住宅・学校の再建を計画して実行するのは、国連の官僚機構の外にある平和評議会である。

🇺🇳国連を名指しで批判しながら国連の承認を取りつけ、実務は国連の外で動かす。演説が突きつけたのは、語る場所と動く場所がもはや同じではないという現実だった。

🇵🇸中東の手に渡ったガザ再建

2026年9月23日、🇺🇳国連総会の会期中に、その傍らで平和評議会による説明会が開かれ、6カ月間で66の事業を実施する総額24.5億ドルの復興計画が示された。

計画は、道路・住宅・学校・モスク・病院・港湾・検問所の修復から、燃料と食料の搬入拡大、通信網の整備、司法制度と🇵🇸パレスチナの航空会社の再建、テント生活を送る約40万人向けの仮設住宅、さらにトンネルの除去と武器の買い取りにまで及んでいる。

この計画を実行するのは国連機関🇺🇳ではなく、🇵🇸パレスチナ人の技術官僚で構成するガザ行政国家委員会である。委員長のシャースはガザ出身の土木技術者で、パレスチナ自治政府の計画・国際協力分野で次官級の職を務めた政治色のない実務家であり、ハマスの支配地域とイスラエルの支配地域を区別せずに計画を立てると述べている。

国連総会の期間中に開かれた平和評議会のセッションで、インフラと復興を担当するジャラダットは、これまでのガザ復興の歩みをこう振り返った。

「20年間で、🇵🇸ガザのマスタープランは34以上作られてきた。しかし、実行されたものは一つもない。」

ジャラダットはさらに、

「アラブの母親は誰でも、家族にエンジニアが一人いることを望む。ガザにエンジニアは不足していない」

と述べ、ガザの業者・技術者・労働者を登録して、国際業者と並んで働けるようにすると説明した。シャースも、住民について次のように語っている。

「彼らが他者の代理人となるのではなく、自らの手で未来を設計し、築いていくことを望む。」

外からの支援も動き出している。ガザの治安維持にあたる国際安定化部隊の第1陣として🇲🇦モロッコと🇽🇰コソボから500人が派遣され、その後に🇦🇱アルバニアと🇰🇿カザフスタンが続く予定で、🇹🇷トルコは移動住宅7万戸の拠出を表明した。

ところが、🇪🇬エジプトと🇶🇦カタールが寄贈した5000戸は、🇮🇱イスラエルが搬入を拒んでいるため、いまもエジプト側の国境に置かれたままになっている。

計画を止めているのは、資材や技術の不足ではない。テロ組織ハマスは7月30日に平和評議会が示した武装解除案に同意したが、ネタニヤフ🇮🇱は完全な武装解除が終わるまでイスラエル軍を撤退させないとして、段階を踏みながら双方が譲り合う枠組みを拒んでいる。

資金💰の面でも、2月の支援国会議で約12カ国が170億ドルの拠出を約束したにもかかわらず、実際に送金されたのは2.8億ドルにとどまっている。

34のマスタープランが一つも実行されなかった理由も、この構図から読み取れる。計画を書いてきた🇺🇳国連をはじめとする国際機関は、🇮🇱イスラエルによる搬入の制限も、支援国の送金の遅れも動かす手段を持たないまま、計画だけを積み上げてきた。

いま起きているのは、その計画づくりを🇵🇸住民自身が担う段階への移行であり、残る障害は🇮🇱ネタニヤフ政権の拒否と、約束した資金を送らない支援国に絞り込まれている。

🇵🇸ガザのエンジニアに足りないのは技術ではなく、国境で止められた5000戸の住宅と、まだ届いていない167億ドル余りの資金である。

ロンドン🇬🇧の自白

🕊️平和評議会が🇵🇸ガザの復興計画を示した翌日の9月24日、🇬🇧経済誌エコノミストは、社説「アメリカが立ち去るとき」を掲載した。

同誌🇬🇧は同じ日に、副編集長が司会する番組でも「中東における米国の覇権は終わるのか」を議論しており、この社説が一度きりの論評ではないことを示している。

🇬🇧社説はまず、第一次世界大戦後の中東を振り返っている。戦争で勝者の側に立った🇵🇸アラブ人はその後に裏切られ、イラク・ヨルダン・パレスチナは🇬🇧英国の、レバノン・シリアは🇫🇷フランスの支配下に置かれた。

独立後も、🇪🇬エジプトの民族主義指導者はソ連型の経済政策で国を疲弊させ、イラクとシリアの独裁者は人権侵害を重ね、その強権統治が過激主義を育ててきた。

社説によれば、🇺🇸米国は3度の戦争と数え切れない秘密工作、延々と続いた外交努力を重ねて中東に自らの計画を押しつけようとしてきたが、その試みは終わりに近づいている。

🇺🇸米国は今後も英国・🇫🇷フランス・🇷🇺ロシアと同じように中東に関与し、対テロを名目に軍事力を使うこともあるが、紛争の構図を設計する役割からは降りる、というのが社説の見立てである。

そのうえで社説は、こう書いている。

「1世紀前に列強がオスマン帝国を解体して以来はじめて、中東の秩序が遠くから押しつけられることはなくなる。」

この一文は、英仏によるオスマン帝国の分割から米国の中東政策までを、「遠くから押しつけられた秩序」という一本の線で結んでいる。分割を主導したのは英国🇬🇧であり、米国🇺🇸は第二次世界大戦後に英国からその役割を引き継いだ。その英国を代表する経済誌が、自らの国🇬🇧が始めた秩序の終わりを、自らの記事で認めたことになる。

ところが社説は、同じ記事で次の地図を描いてみせる。米国が去った空白を埋めるのは🇮🇷イラン・🇹🇷トルコ・🇮🇱イスラエルの3カ国で、いずれもアラブではなく、アラブ諸国は敗者になる、というのである。遠くから秩序を押しつける時代の終わりを認めた直後に、勝者と敗者の割り振りを遠くから書いていることになる。

しかし、ガザで実際に手を動かしているのは、🇵🇸パレスチナ人の技術官僚と、住宅を寄贈した🇪🇬エジプトと🇶🇦カタール、そして部隊を送る🇲🇦モロッコである。

ロンドン🇬🇧は設計図を手放したと書きながら、ペン✒️だけはまだ手放していない。

🇬🇧キッシンジャーの罠は解体

エコノミストの社説が掲載された9月24日、ワシントンではホワイトハウス🇺🇸で、🇨🇳習近平国家主席を迎える歓迎式典が開かれていた。習近平は9月23日から25日まで、国賓として米国を訪れている。

その4カ月前の2026年5月、🇨🇳北京で行われた米中首脳会談の冒頭で、習近平はこう問いかけていた。

「中国と米国はトゥキディデスの罠を乗り越え、大国関係の新たなパラダイムを築けるだろうか。」

トゥキディデスの罠とは、台頭する大国と既存の覇権国は戦争に向かいやすいという見方で、ハーバード大学のアリソンが提唱した。アリソンはキッシンジャー🇺🇸の教え子にあたる。5月の時点で、習近平はこの罠を、答えの定まらない問いとして語っていた。

9月24日の歓迎式典で、同じ言葉は断言に変わった。

「中国🇨🇳と米国🇺🇸は、衝突せず対抗しないという一線を守らなければならない。そして、私たち両国が共に『故郷』と呼ぶこの地球の上で、二つの大国がともに歩む正しい道を見出すことは間違いなく可能である。両国の軍は定期的な対話を維持し、危機の連絡と予防の仕組みを改善すべきである。『トゥキディデスの罠』は克服できる。」

習近平は続けて、

「中華民族の偉大な復興と、アメリカ🇺🇸を再び偉大にすることは、両立できる」

と述べている。

この言葉は、2日後に発表された8項目の合意で中身を伴うことになった。

両首脳は「尊重・公正・互恵を基礎とした建設的な戦略的安定性の関係」を築くことで一致し、🇮🇷イランは核兵器を開発しないという約束を守るべきであり、ホルムズ海峡を念頭に、どの国も国際水路に通航料を課してはならないことでも一致した。

通商では300億ドル規模の相互関税引き下げを承認し、麻薬取締りでは、新型精神作用物質とその原料となる化学物質をめぐる共同摘発で、🇺🇸🇨🇳両国の捜査当局が実際に容疑者を検挙していることを確認している。

AIについては、リスクと利益を話し合う「中米AI対話」を設け、2026年11月に次回の対話を開くことと、AI関連の事故が起きた際に使う二国間の連絡チャネルを設けることで合意した。

さらに8項目とは別に、米中両国の軍は危機の連絡と防止に関する覚書を早期に結ぶことで合意しており、習近平が式典で求めた🇺🇸🇨🇳軍同士の危機連絡は、この覚書として形になった🤝

米国側にも、象徴的な変化があった。ルビオ🇺🇸は国務長官と国家安全保障担当大統領補佐官を正式に兼任することになり、二つの職を同時に務めるのは、ニクソン政権でキッシンジャーが兼任して以来のことになる。

キッシンジャー🇺🇸は退任後の1982年、🇬🇧チャタムハウスでの講演で、在任中の仕事ぶりをこう振り返っている。

「在任中、私は🇬🇧英国外務省に対して、🇺🇸米国務省に対してよりも、より詳細な情報を提供し、より緊密に連携を取っていた。」

キッシンジャー🇺🇸の時代、米国の大国外交は、自国の国務省よりもロンドンと情報を共有しながら動いていたことになる。

同じ二つの椅子に座るルビオは、9月23日に国連本部で開いた会見で、こう述べた。

「ここでは誰もが、国際システム🇺🇳が壊れているという一点で意見が一致している。壊れたのは、自分で自分を壊したからだ。本来の焦点と役割に戻す必要がある。」

「権限を超えて膨張したから、機能しなくなっている。」

「少なくともトランプ大統領🇺🇸が在任している間、我々は国際秩序の利益ではなく、自国の国益のために行動する。国際秩序を米国の国益の上に置くことは決してない。」

ルビオの言葉にあるのは、国際秩序よりも自国の国益を先に置くという原則であり、米国はその原則のもとで北京と直接向き合い、8項目の合意をまとめた。

キッシンジャーの教え子が描いた「罠」を、対峙させられた側の🇨🇳指導者が「克服できる」と断言したその場に、ロンドン🇬🇧の席は用意されていなかった。

🇬🇧TNI連携メディアが見せなかった合意🇺🇸🇨🇳

🇺🇳国連総会での演説と習近平の国賓訪問を伝える際にも、🇬🇧TNIを主導するBBCをはじめとする主要メディアは足並みをそろえた。

🇺🇸ニューヨーク・タイムズは演説を、国連創設の理念を退ける「勝者総取りの米国の力のビジョン」と位置づけた。

🇬🇧英ガーディアンには、国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの元代表が「妄想的で危険」と論じる論説が載り、🇬🇧BBCと🇯🇵朝日新聞は、イランへの「壊滅」発言とICCからの脱退要求を要点に選んだ。朝日新聞はさらに、ICCを法の支配の担い手として扱っている。しかし、トランプが演説で語った平和評議会🕊️が国連の承認を得た枠組みであることは、これらの見出しのどこにも入っていない。見出しが伝えたのは、国連🇺🇳やICCと対立するトランプの姿だった。

習近平🇨🇳の訪問中、トランプはメディア📺が飛びつきそうな仕掛けを用意していた。

9月24日、トランプはホワイトハウスの回廊にある🇺🇸歴代大統領の肖像展示を習近平に案内し、バイデンの位置に肖像ではなく自動署名機✒️の写真を置いて、「トランプ、次もトランプ、そしてこれがオートペン」と説明した。

習近平と同行者が笑うと、トランプは習近平の腕を軽く叩き、「バイデンだ✒️」と念を押した🤭狙い通り、この場面は米国内で大きく報じられ、批判が相次いだ📺。元民主党下院議員は「米大統領がやった中で最も非アメリカ的な行為」と投稿し、ウォール・ストリート・ジャーナルの論説委員も「まったく胸が悪くなる」と評した。

首脳会談そのものについても、民主党だけでなく共和党の上院議員までが、中国による対イラン協力が問題にされなかったと批判している。

だが今回の首脳会議で、米中は8項目の合意に達していた。

🇮🇷イランの核兵器不開発とホルムズ海峡を念頭に置いた通航料の禁止、新型精神作用物質や前駆化学物質をめぐる共同摘発の成果、2026年11月に次回が予定される「中米AI対話」とAI事故時の連絡チャネル、そして「尊重・公正・互恵を基礎とした戦略的安定性の関係」がその中身であり、8項目とは別に、両国の軍は危機の連絡と防止のための覚書を早期に結ぶことでも合意している。

🇬🇧に操られている🇺🇸上院議員が「問題にされなかった」とした対イラン協力は、この合意の中に書き込まれていた。

見出しになったのは、✒️肖像展示の前でのジョークと、イランへの「壊滅」発言だった。 🇺🇸🇨🇳合意の中身🤝は、見出しにならなかった。

🇺🇳国連の外で進む真の多極化🌍

国連総会🇺🇳の10日前、2026年9月12日から13日にかけて、インドのニューデリーで第18回BRICS首脳会議が開かれ、🇮🇳モディ首相が議長を務めた。

BRICSは、ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカを原加盟国とし、その後イランやエジプトなど新興国を加えてきた枠組みで、西側主導の国際機関に対抗する多国間の場として機能してきた。

会議には、🇷🇺ロシアのプーチン大統領と🇨🇳中国の習近平国家主席のほか、🇪🇬エジプト・🇮🇩インドネシア・🇮🇷イラン・🇿🇦南アフリカの大統領、🇪🇹エチオピアの首相、🇦🇪アラブ首長国連邦のアブダビ皇太子、🇧🇷ブラジルの外相が出席した。会議は140項目からなる「ニューデリー宣言」を全会一致で採択した。宣言は一方的な関税と二次制裁を批判し、世界貿易機関(WTO)の上級委員会の機能回復を求めている。上級委員会は貿易紛争の上訴を審理する機関だが、6年以上機能停止の状態が続いている。

宣言はさらに、国連安全保障理事会でアジア・アフリカ・中南米の代表議席を増やすよう求めている。決済では共通通貨を採用せず、各国通貨での決済と、決済網の相互接続を進めることで合意した。

BRICSはすでに、西側主導ではない仕組みを自ら動かしている。上海に拠点を置く新開発銀行は加盟国のインフラ整備に融資しており、2026年7月に上海で29カ国の署名により設立された世界人工知能協力機構(WAICO)には、🇨🇳中国と🇷🇺ロシアをはじめとするBRICS諸国が創設メンバーとして加わった。

🇷🇺ロシアはさらに、BRICS内での決済・清算・証券保管の基盤づくりに加えて、再保険の仕組みと穀物取引所の創設も提案している。

🇺🇳国連のグテーレス事務総長もニューデリーを訪れ、9月13日にBRICS首脳会議で演説した。

「今日の経済・人口・地政学の現実は、1945年当時のものではない。多極化は、世界の仕組みと機関に均衡をもたらす助けになりうる。ただし、そのためには国連安全保障理事会やブレトンウッズ体制を含む多国間機関を、今日の現実に合わせて改革する必要がある。」

ブレトンウッズ体制とは、国際通貨基金(IMF)と世界銀行を中心とする、戦後の国際金融秩序を指す。

そして、🇷🇺ロシアのプーチン大統領はこう述べている。

「世界は、地政学、地経学、技術、社会のすべてにわたる深い変容の中にある。狭い一握りの国の利益に奉仕してきた一極の国際関係の体制は、次第に過去のものになりつつある。力の均衡は、グローバル・サウスと東の新たな成長の中心へと移っている。」

「しかし、多極世界への移行は平坦ではない。植民地時代の発想に慣れ、世界を花咲く庭園と野生のジャングルに分け、他者の犠牲の上に繁栄しようとする者たちが抵抗しているからだ。彼らは関税戦争、不当な制裁、経済的圧力と恐喝、主権国家への内政干渉、そして直接の武力行使まで、あらゆる手段を使っている。」

「ロシアは、国際問題における国連の中心的な役割を守り、強化することを特に重視している。国連憲章は、誰が作ったかもわからない規則に基づく、いわゆる『ルールに基づく秩序』に置き換えようとする一部の国の試みにもかかわらず、国際法の礎であり続けている。」

「IMF、世界銀行、WTOは、まったく異なる政治・経済の現実の中で作られ、経済活動が新興市場へ移る世界に適応できずにいる。」

トランプ🇺🇸は国連の演壇で「語るだけの国連🇺🇳」を突きつけ、国連の承認を取りつけながら、ガザの実務を国連の官僚機構の外で動かした。

BRICSは国連安全保障理事会の議席の配分を改めるよう求め、決済やAIの仕組みを国連の外で並行して作っている。

そして🇺🇳国連事務総長自身が、BRICSの場で、世界がもはや1945年の現実にはなく、多極化に向かっていることを認めた。

🇷🇺プーチンが守ると述べたのは国連憲章🤝であり、退けたのは、誰が作ったかもわからない規則に基づく「ルールに基づく秩序🇬🇧」だった。

終わりを迎えているのは国連憲章ではなく、1945年の現実のまま「ルールに基づく秩序」を語る場として運営されてきた国連🇺🇳であり、批判の方向は異なっても、トランプもBRICSも国連事務総長も、語るだけの国連の時代が終わりつつあることでは一致している。

🇬🇧TNIに制御されている報道📺では、国連の演壇で語り、ロンドンで設計し、その見方を世界に配るという分業の外で動いている現実🌍は、見えてこない。

参考文献

The White House (2026/09/22) President Trump at the United Nations: “While Others Have Talked, I Have Acted”

演説の公式抜粋。予算15%削減、4000ポスト廃止、世界政府と世界税の否定、人権理事会とユネスコへの批判の原文を確認できる。

The White House
President Trump at the United Nations: “While Others Have Talked, I Have Acted” Today, President Donald J. Trump addressed the 81st session of the United Nations General Assembly and delivered a powerful message: American strength and

The American Presidency Project (2026/09/22) Remarks to the United Nations General Assembly in New York City

演説全文の書き起こし。ICCへの批判、「他者が語っている間に私は行動した」という対比、ガザ和平の進捗、国連安全保障理事会による平和評議会の承認への言及の底本。

Axios (2026/09/07) Witkoff, Kushner, Putin, and Trump – Ukraine Russia War Peace Talks

トランプの特使がモスクワとウクライナを往復し、冬の前に両国の直接交渉の場を設けることを目指している動きを報じた記事。英国政府とEUがこの和平の動きに反発している状況も確認できる。

https://www.axios.com/2026/09/07/zelensky-ukraine-russia-war-witkoff-kushner-putin-trump

RFE/RL (2026/09/14) Trump Says Russia, Ukraine Agree To Halt Strikes On Energy Targets

トランプが9月14日、ロシアとウクライナが互いのエネルギー施設への攻撃停止で合意したと発表したことを報じた記事。

https://www.rferl.org/a/trump-russia-ukraine-energy-fuel/33854264.html

YouTube (2026/09/23) Trump and Zelenskyy at the UN – peace negotiations ahead of winter

国連総会の会期中に行われたトランプとゼレンスキーの会談の映像。冬を前にした和平合意に向けた交渉の記録。

Chatham House (2026/02) Europe helping Ukraine resist US push for peace at any price

米国の「いかなる代償を払っても和平を」という圧力にウクライナが抵抗するのを、欧州が支えていると分析したチャタムハウスの記事。

https://www.chathamhouse.org/2026/02/europe-helping-ukraine-resist-us-push-peace-any-price

Chatham House (2026/05/28) How a Russia–Ukraine ceasefire could imperil Ukrainian and European security

ロシアとウクライナの停戦がウクライナと欧州の安全保障を脅かす恐れがあると警告した報告書のランディングページ。筆頭著者は元駐ウクライナ英国大使。
https://www.chathamhouse.org/2026/05/how-russia-ukraine-ceasefire-could-imperil-ukrainian-and-european-security

The Times of Israel (2026/09/23) Board of Peace unveils $2.4B Gaza recovery plan, but hurdles remain before implementation

66事業・24.5億ドルの復興計画、ハマスの武装解除案への同意とネタニヤフの拒否、約束170億ドルに対する送金2.8億ドル、トルコの移動住宅7万戸、エジプトとカタールの5000戸の足止め、国際安定化部隊の構成を報じた。

https://www.timesofisrael.com/board-of-peace-unveils-2-4b-gaza-recovery-plan-but-hurdles-remain-before-implementation

Board of Peace (2026/09) Gaza Reconstruction Session with Shadia Jaradat and Ali Shaath

ジャラダットの「34のマスタープランは一つも実行されなかった」「ガザにエンジニアは不足していない」という発言と、シャースの「他者の代理人ではなく自らの手で未来を築く」という発言を収めた映像。

Foreign Policy (2026) Israel and America Agree on Gaza’s New Leader

ガザ行政国家委員会の委員長シャースの経歴を紹介した記事。ガザ出身の土木技術者で、パレスチナ自治政府の計画・国際協力分野で次官級の職を務めた、政治色のない実務家であることを確認できる。

Foreign Policy
Israel and America Agree on Gaza's New Leader The Trump administration’s peace plan has invested its hopes for Gaza’s future in the little-known Ali Shaath.

The Economist (2026/09/24) When America walks away

オスマン帝国の解体以来はじめて、中東の秩序が遠くから押しつけられなくなると認めた社説。英仏による分割と、米国が紛争の構図を設計する役割から降りることを論じている。

https://www.economist.com/leaders/2026/09/24/when-america-walks-away

The Economist (2026/09/24) Is America’s hegemony over the Middle East coming to an end?

同誌の副編集長が司会し、社説と同じ日に中東における米国の覇権の終わりを議論した番組「The Insider」。

https://www.economist.com/insider/the-insider/is-americas-hegemony-over-the-middle-east-coming-to-an-end

Al-Manar (2026/09/25) Where Is the Middle East Heading After America’s Final Withdrawal?

エコノミスト社説の全文を転載した記事。英仏による分割の記述と、イラン・トルコ・イスラエルを後継とし、アラブを敗者とする予測を確認できる。

Al-Manar TV Lebanon
Where Is the Middle East Heading After America’s Final Withdrawal? - Al-Manar TV Lebanon The Economist magazine stated in an editorial that the United States appears to be stuck in the Midd

The Hill (2026/05) Trump-Xi bilateral summit opening remarks

5月の北京会談の冒頭で、習近平がトゥキディデスの罠を「乗り越えられるか」という未決の問いとして示した記録。

https://thehill.com/homenews/administration/5877321-trump-xi-bilateral-summit-opening-remarks

Consulate General of the People’s Republic of China in Medan (2026/09/24) Remarks by H.E. Xi Jinping President of the People’s Republic of China at Arrival Ceremony at the White House

ホワイトハウス歓迎式典での習近平の致辞全文。「トゥキディデスの罠は克服できる」「中華民族の偉大な復興とアメリカを再び偉大にすることは両立できる」の原文。

Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China (2026/09/25) President Xi Jinping Attends the Arrival Ceremony at the White House Hosted by U.S. President Donald J. Trump

中国外交部による歓迎式典の公式記録。致辞の要旨と式典の経過。
https://www.fmprc.gov.cn/eng/xw/zyxw/202609/t20260925_12031176.html

Xinhua (2026/09/26) China and the United States reach eight deliverables and understandings

9月23日から25日の国賓訪問で合意した8項目の公式発表。戦略的安定性の関係、イランの核不開発と通航料の禁止、300億ドル規模の相互関税引き下げ、麻薬の共同摘発、中米AI対話とAI事故時の連絡チャネルを記載し、8項目とは別に軍の危機連絡・防止の覚書の早期締結を記している。

あわせて読みたい
China and the United States reach eight deliverables and understandings China and the United States reach eight deliverables and understandings-

The Hill (2026/09) Trump makes Rubio permanent national security adviser

ルビオの国務長官と国家安全保障担当補佐官の兼任が恒久化され、両職の同時保有はキッシンジャー以来だと報じた記事。

https://thehill.com/homenews/administration/6104499-trump-makes-rubio-nsa

International Affairs (1982/Autumn) Reflections on a Partnership: British and American Attitudes to Postwar Foreign Policy

キッシンジャーのチャタムハウス講演録。在任中、米国務省より英国外務省に詳しい情報を渡し、緊密に連携していたという本人の発言を収録している。

https://www.jstor.org/stable/2618470

The National (2026/09/23) International system ‘broken’ and US will continue to act alone, Rubio says

国連本部で行われた記者会見でのルビオの発言。「国際システムは自ら壊れた」「権限を超えて膨張した」「国際秩序を米国の国益の上に置かない」という発言と、会見の場所を確認できる。

The National
International system 'broken' and US will continue to act alone, Rubio says | The National 'We will never put international order above US interests,' Secretary of State says at UNGA

The New York Times (2026/09/22) At the U.N., Trump Lays Out a Winner-Takes-All Vision of U.S. Power

演説を国連創設理念の拒否と位置づけた、米リベラル主流報道の代表例。
https://www.nytimes.com/2026/09/22/us/politics/un-trump-speech-iran-venezuela-greenland.html

The Guardian (2026/09/23) Trump’s UN speech was delusional and dangerous

ヒューマン・ライツ・ウォッチ元代表の論説。ICC攻撃と、気候・AI規制への嘲笑を批判した。
https://www.theguardian.com/commentisfree/2026/sep/23/trump-un-speech-delusional-dangerous

BBC News (2026/09/23) American power, AI and a walkout – key moments from Trump’s UN speech

イランへの「壊滅」発言とICC脱退要求を要点として報じた現場報道。
https://www.bbc.com/news/articles/c6rm903e22lgo

The Asahi Shimbun (2026/09/23) Trump Urges Countries to Leave ICC in UN General Assembly Speech, Justifies Iran Attack

ICCを法の支配の担い手として扱い、対イラン攻撃の正当化と並べて報じた日本の論調。
https://www.asahi.com/articles/ASV9Q6VFGV9QUHBI002M.html

Mediaite (2026/09/25) ‘Utterly Disgusting’: Trump Mocks Biden in Front of China’s Xi, Sparking Furious Online Backlash

ホワイトハウス回廊での肖像展示をめぐるトランプの発言と、笑いのあとの「バイデンだ」という念押し、元民主党下院議員とウォール・ストリート・ジャーナル論説委員の批判を伝えた記事。

https://www.mediaite.com/online/utterly-disgusting-trump-mocks-biden-in-front-of-chinas-xi-sparking-furious-online-backlash

The White House (2026/09/24) “This is the autopen… it’s Biden.”

ホワイトハウス公式Xアカウントが投稿した、トランプが習近平に肖像展示を案内する場面の動画。オートペンの説明と「バイデンだ」という念押しを、一次資料として確認できる。

The Hill (2026/09/25) GOP senators criticize Trump-Xi summit, Iran cooperation

共和党の上院議員が民主党と足並みをそろえ、首脳会談で中国の対イラン協力が問題にされなかったと批判したことを報じた記事。
https://thehill.com/homenews/senate/6110545-gop-senators-criticize-trump-xi-summit-iran-cooperation/

President of Russia (2026/09/12) BRICS Summit

第18回BRICS首脳会議のクレムリン公式記録。出席者一覧、プーチン演説の英文全文、ニューデリー宣言の採択を確認できる。演説では、WAICOの創設メンバーに中国とロシアをはじめとするBRICS諸国が含まれること、ロシアが決済・清算・証券保管の基盤、再保険の仕組み、穀物取引所を提案していることにも触れている。

http://en.special.kremlin.ru/events/president/news/80748

The Times of India (2026/09/12) Brics New Delhi Declaration adopted: Terrorism, conflict resolution, tariff concerns addressed; key points

140項目のニューデリー宣言が全会一致で採択されたことを報じた。

https://timesofindia.indiatimes.com/india/brics-new-delhi-declaration-adopted-conflict-resolution-tariff-concerns-and-more-key-points/articleshow/134126627.cms

The Financial Express (2026/09/13) BRICS pushes local-currency trade to cut transaction costs

共通通貨案はないとするインドの交渉担当者の説明、各国通貨での決済、WTO上級委員会の機能回復要求を報じた。

https://www.financialexpress.com/policy/economy/brics-pushes-local-currency-trade-to-cut-transaction-costs/4338142

Frontline (2026/09/18) BRICS 2026: Do Summit Promises Deliver on the Ground?

「上海に拠点を置く新開発銀行が、加盟国のインフラ整備に融資している」という記述の根拠。BRICS諸国が設立した新開発銀行の成り立ちと、これまでの融資の実績を検証した記事。
https://frontline.thehindu.com/world-affairs/brics-2026-summit-commitments-results/article71477105.ece

Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China (2026/07/16) Signing Ceremony of the Agreement on the Establishment of the World Artificial Intelligence Cooperation Organization Held in Shanghai

上海で29カ国が世界人工知能協力機構(WAICO)の設立協定に署名したという公式発表。
https://www.fmprc.gov.cn/eng/wjbzhd/202607/t20260717_11984747.html

Outlook (2026/09/13) Guterres Backs UNSC Reform At BRICS Summit, Says, ‘World Is Moving Towards Multipolarity’

BRICS首脳会議でのグテーレス事務総長の演説を報じた記事。「今日の経済・人口・地政学の現実は1945年当時のものではない」という発言と、国連安全保障理事会・ブレトンウッズ体制の改革を求めた発言を確認できる。

Outlook India
UN Chief Guterres Backs Modi's Call For UNSC Reform: 'Reflect World Of Today' | Outlook India UN Secretary-General Antonio Guterres backed India's call for UN Security Council reform, saying global institutions must reflect today's economic, demographic ...

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