FRBのことを色々調べていたら、ヴェルナーの最近の動画を発見した。
中央銀行どころではない、銀行のマネー創造についての講義だ、彼の本を読んだ後でも、改めて興味深い。
これは、ブダペスト郊外のインターナショナル・スクールで、TEDxとして行われたものだ👏
The Secrets of the Financial System | Richard Werner | TEDxAISB Youth
少しだけ、驚きの内容をご紹介する。
マクロ経済学の実績は、率直に言って散々だ。つい最近、『Journal of Economic Perspectives』誌上で、経済学の上級教授たちが「マクロ経済学は少なくとも一世紀にわたって何の進歩もしていない」と認めた。
だから経済学者たちは、2021年・2022年の大幅なインフレや、繰り返される銀行危機、あるいは中国の近年の高度経済成長といった出来事に、今も驚き続けている。
2008年の危機が起きたとき、ジャーナリストに質問された経済学者たちはコメントしようとした。しかし正直に言えば、「コメントできない」と答えるべきだった。なぜか。銀行危機だからだ。大問題だ。市場は崩落している。それでもコメントできない。なぜか。私たちの理論もモデルも、銀行を一切含んでいないからだ。
主要な貨幣経済学の教科書や経済理論において、銀行は単なる「金融仲介機関」として描かれている。預金を集め、それを貸し出す存在として。これが彼らが銀行をモデルから除外できると考えた根拠だ。仲介機関なら、それ自体が大きな影響力を持つはずがないというわけだ。
では銀行は実際どう機能しているのか。これは長らく論争の的だった。10年余り前、私は銀行の実際の機能について史上初の実証実験を行った。記録として確認できる限り、5000年の銀行史において初めての実験だ。その結果、銀行が単なる金融仲介機関だという教科書の説明は誤りだと判明した。
政府はお金を創っていない。中央銀行が創るのは貨幣供給量の3%—多くても4〜5%だ。では大部分を創り、配分しているのは誰か。もうおわかりだろう。銀行だ。
プロセスは私たちが教わったことの正反対だ。銀行は預金を集めてから貸すのではない。経済的にも法的にも、実際に起きていることはこうだ。銀行がまず信用を創出し、貸し付ける。そしてその結果として預金が生まれる。
なぜ銀行がお金を創れるのか。私たちの貨幣供給量は大部分が銀行預金で構成されているからだ。では銀行預金をどうやって創るのか。これは法律上、実は単純な話で、英国法が最も明快に示している。銀行預金とは法律上、単に「銀行が私たちに対していくら負債を負っているかの記録」に過ぎない。
例えば英国には5つのメガバンクがある。彼らが望むのは大きく、手間のかからないビジネスだ。少数の、非常に大口の顧客と取引したい。だからヘッジファンドやプライベートエクイティファンドに数十億単位で貸し付ける。中小企業には資金が回らない。結果として、彼らが主に創出する信用は、不動産や金融資産といった資産の購入に向けられる。多額のお金を資産市場に流し込めば、資産価格インフレが起き、それが長年英国経済を悩ませてきたバブルと崩壊のサイクルを生む。
一方、数千もの小規模な地方銀行が主に地元の中小企業の生産的な事業投資に貸し付けるシステムがあれば、非常に分散化された、平等主義的な信用創造システムが生まれる。お金が国全体にほぼ均等に分配される。インフレなし、資産バブルなし、そして非常に高い経済成長が実現できる。
経済学者は希少性や高税・緊縮財政を好んで語る。しかし正しい経済システムがあれば、すべての人に豊かさをもたらすことができる。持続可能で安定した高成長は可能だ。東アジア経済がそれを証明している。日本を皮切りに、韓国、台湾、シンガポール、そして1970年代末からは中国も加わり、何十年にもわたって年率15%成長を達成した。彼らが共通して行ったのは、小規模企業への生産的事業投資融資を中心とする分散型銀行システムの構築だ。
経済成長とは統計上の虚構だ。
経済成長という概念が実は銀行家たちによって、政府の国債に対して最高・最大の利子を課す方法を算出するために考案されたものだと明かしている…
学生の頃にこれ知っておきたかった…😅
参考文献
Richard A. Werner (2012/01/01) Where Does Money Come From? A Guide to the UK Monetary and Banking System
銀行が預金を集めて貸し出すという通説を実証的に覆し、銀行が貸付契約によって無から預金を創出するメカニズムを解説。Werner自身が講演で言及した同名の共著書籍版。信用創造の仕組みを理解するための基本文献。
Richard A. Werner (2003/11/30) Princes of the Yen: Japan’s Central Bankers and the Transformation of the Economy
日本の「失われた20年」を中央銀行による信用誘導政策の観点から分析。Werner自身が講演で解説したQE1・QE2の政策提言の原点となった書。中央銀行が経済成長を意図的に操作できる構造を実証した代表作。

